今回はOPPOより発売された「OPPO Watch Free」をレビューします。
このスマートウォッチ何がすごいかというと、睡眠中の呼吸障害の状態やいびきを連携するスマートフォンで録音してくれるというもの。いびき解析は現状Galaxy Watch 4といったハイエンドのスマートウォッチにしか搭載されていません。
ただし、搭載していない機能など気になる点もあるので、良い点、気になる点を徹底レビューしたいと思います。
スペック
カラー | ブラック/バニラ |
サイズ | 約46.0mm × 29.7mm × 10.6mm |
本体素材 | スクリーン 2.5Dガラス / ミドルフレーム PC+30%GF / バックPA+55%GF |
ストラップ | シリコン |
ストラップの長さ | 約130-205mm |
ストラップの幅 | 約19mm |
質量 | 約20.9 g (本体のみ), 約32.6 g (ストラップあり) |
ボタン | なし |
ディスプレイ | 有機EL搭載1.64インチ |
解像度 解像密度 | 280 x 456pixel 326ppi |
バッテリー | 230mAh(最長使用14日間) |
充電方式 | マグネット式 |
対応OS | Android™ 6.0以上 / iOS 10.0以上 |
Bluetooth | Ver 5.0 |
センサー | 6軸モーションセンサー, 光学式心拍数センサー, 光学式血中酸素レベルセンサー, 環境光センサー |
防水機能 | 5ATM |
NFC | 非対応 |
値段
価格は2022年1月現在Amazon約10000円、楽天市場で約12000円です。
外観
本体は縦長タイプのスマートウォッチです。
材質はケースがガラス繊維入りのポリカーボネートでバックケースがガラス繊維入りのポリアミドです。
ガラス繊維で強化されたポリカーボネート・ポリアミドは優れた剛性、機械強度、硬度、靱性、クリープ強度が挙げられており、耐久性があります。
ケース側面は艶消しゴールドの塗装がされ、ディスプレイ付近は艶消しされていないゴールド塗装がされています。塗装を塗り分けることによってディスプレイ付近がキラッと光り高級感があります。
ボタンが一切無く、非常にシンプルな見た目ですが、ボタンが無い事でのデメリット(後述します)もあるので、スタイリッシュと取るか、機能的ではないと取るか意見が分かれる所です。
バンドはシリコンで遊革が無く、バンドを内側に入れるタイプです。柔らかい肌触りで本体が僅かに湾曲してる事もあって、大変着け心地が良いです。
バンドにはシボ加工がされており、見た目がレザー風でシリコンでも高級感を損ないません。
ただし、バンドは特殊な形状しているので一般的な取り外し可能なベルトとは互換性がありません。
充電はマグネットタイプ。ある程度磁力の強さはあるのですが、huawei band 6の充電器と比べると少し弱い印象。
重さは約33gと大きさの割に軽いです。ワークアウト時も特に煩わしさはありませんでした。
アプリ
アプリはHeyTap Healthを使用します。
Hey Tap HealthからGoogle fitと連携設定が出来ます。
ディスプレイ/ウォッチフェイス
デフォルトのウォッチフェイスは40種類とやや少ない
ディスプレイは1.64サイズのAMOLEDディスプレイです。縦長なのでスッキリとしたサイズ感です。やはりAMOLEDディスプレイは発色が良いので黒色のウォッチフェイスはとても引き締まって見えます。
明るさは手動で3段階、自動調光機能があります。AOD(常時表示機能)はありません。
ウォッチフェイスは43種類と最近のものにしては結構寂しいです。時計画面長押しで変更可能。デザインとしてはエレガント、ポップ、クラシックな感じのものがあります。アップデートで3種類増えているので、もしかしたらどんどん増えていくかもしれません。本体に保存可能な数は7種類。本体から削除も出来ます。
デフォルトのウォッチフェイスは少ないですが、OPPO Watch freeは他にはあまりないウォッチフェイス機能を備えています。
AIコーディネート
AIコーディネートはウォッチフェイス機能の1つで、その日着ていく服をスマホのカメラで撮影してその服の色などからAIが8種類のオリジナルのウォッチフェイスを作成してくれるというもの。
模様のパターンはある程度決まっていますが、その日の コーディネート に合わせてウォッチフェイスを作成出来るというのは、ファッションにこだわりを持った人にも気にせずスマートウォッチを身に着けられますね。
ライトペイント機能
これもウォッチフェイス機能の1つで、色や模様を自分で設定しつつ、HeyTap Health内で画面をスワイプして自作の幾何学模様のウォッチフェイスが作れます。
これもある程度のパターンは決まっていますが、自分で気に入ったウォッチフェイスを作成できるのは面白い機能です。作成した物は3つまで保存されます。この機能iOSは対応していません。
UI(ユーザーインターフェース)/動作感
操作は慣れるまで時間がかかる。
時計画面から右→左スワイプでアクティビティ、心拍数、睡眠分析、血中酸素濃度(SpO2)の状態を確認出来ます。ウィジェットの並び替えや追加は出来ません。
時計画面から左→右スワイプでメニュー一覧が出てきます。よくあるスマートウォッチだとボタンを押すとメニュー一覧が出てくるタイプが多いので、慣れるまでに時間が掛かります。
OPPO Watch Freeの特徴として物理ボタンが無いことですが、普通ボタンがあると押せば画面が表示されるのですが、OPPO Watch freeにはボタンがないのでダブルタップするとメイン画面が表示されます。
又、他のスマートウォッチだとボタンや静電式センサーを押すとホームの時計画面に戻れるのですが、OPPO Watch Freeだと例えば血中酸素濃度測定の項目から天気など他の機能を操作したい場合、スワイプしてメニュー一覧まで移動させなければいけないので、操作性にやや不便を感じます。
通知はLINEの個別アイコンやゲームのアイコンも表示
時計画面で下→上スワイプで通知が確認出来ます。
今まであまり無かったLINEの個別アイコンや有名どころ以外のアプリでも専用アイコンが表示されます。「閉じる」を押すと通知は消えてしまいますが「折りたたむ」を押すと通知画面がそのまま残ります。
コントロールセンター
時計画面で上→下スワイプで様々な設定が出来るコントロールパネル画面になります。アプリで項目を変更出来ます。
動きはサクサク
動作性としては指の動きに対しても追従性はかなり良く、サクサク動きます。ハイエンドスマートウォッチに引けを取らない動作性かと思います。
独自の睡眠分析
まず基本的な深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、覚醒時間、昼寝、これらはしっかり測定可能。本体ではこの他に睡眠時の平均血中酸素濃度が確認出来ます。寝る時間、起きた時間共に概ね合っているのですが、深い睡眠が少ない日が多すぎるのが気になるところ。この辺は合っているのかどうかは分かりません。
昼寝だけ計測した場合、夜の睡眠を計測しておらず、かつ睡眠時間が2時間以下だと睡眠分析してくれないので注意が必要。アプリの日本語表記、他は問題ないのにここだけ中国語表記なのは詰めの甘さが見えます。
面白いのは睡眠スケジュールを設定と一緒に就寝時刻のリマインダーや夜更かししていると就寝のリマインダーを設定することが可能。規則正しい生活のサポートをしてくれます。
イビキやSpO2を基に呼吸障害の分析
またOPPO Watch Freeの独自機能としてスマートフォンのマイクを利用したイビキ解析機能があります。
更に睡眠中のSpO2をリアルタイムでの測定に対応しており、そこからイビキの状態、心拍数などのデータから呼吸障害のリスクがあるか判断してくれたり、強いイビキは実際に録音され聞くことが出来ます。ここまで詳しいデータを出してくれるスマートウォッチは中々ないのではないでしょうか。
ただし、イビキ解析はHey Tap Healthのアプリを開き、イビキ解析のボタンを押さないと測定されないのとスマートフォン側の充電も気にしなければいけないので、若干面倒です。せめて就寝したタイミングでイビキも測定してくれれば良かったのですが…
ちなみに2人で寝ていて2人ともイビキをかいていると、イビキの録音がどちらのものか分かりません。(なんとなく音の聞こえが違う気もしますが)しょうがないと言えばしょうがないですが…。
iOSではイビキモニタリング機能に非対応です。 最大の独自機能なのにiOSで使えないのはかなりマイナスですね。
機能
心拍測定
24時間連続で測定します。アプリでは棒グラフ又は線グラフでの表示。又、安静時と運動時で心拍アラートの設定できます。
測定頻度は6分・2分・リアルタイムに対応。ただ、6分間隔にすると安静時心拍アラートが使用出来ないので注意。
血中酸素濃度測定
血中酸素濃度測定は基本的には手動測定のみですが、睡眠中のみ連続計測可能。定期測定とリアルタイム測定が出来ますが、これらを使用すると消費バッテリーは多くなります。
ストレス測定は無し
残念ながらストレス測定機能はありません。睡眠分析の高度さを考えればしょうがないとも思えますが、それなら値段を少し高くしてでもストレス測定機能を搭載すればもう少しバランスの取れた製品になるのになと思ってしまいます。
ワークアウトは104種類に対応、GPSは非搭載
本体に保存可能が30種類、全て合わせて104種類と種類は多いです。本体で追加、削除出来ます。ランニング・ウォーキング・エプティカルマシン・ローイングマシンは自動で検出してくれます。GPSなどの衛星測位システムは搭載していません。
数が多いのは良いのですが、測定項目がウォーキングでもカロリー・時間・歩数・心拍数・ピッチと割と普通。ガッツリ運動をする人には少し物足りなさが有るかもしれません。
水分リマインダー
最近スマートウォッチの機能に搭載されてきています。OPPO Watch Freeでは単に水分補給のリマインダーが来るだけでなく、水分補給の目標も自分で設定でき、摂取した量をカウントすることが出来ます。
カウントする機能があれば自分がどのくらい水分摂取したか分かるのでこれは結構便利です。
設定
ディスプレイと明るさ
- 手首を傾けて画面オン…ON、OFF設定の他時間も設定可能
- ダブルタップして画面をオン
- 自動画面オフ…1~10秒で設定可能
- 自動明るさ調整
バイブレーション
- バイブレーション強度…弱、中、強の3段階設定可能
- バイブレーション時間…アラーム、タイマーのバイブレーション時間を5秒、15秒、30秒、60秒で設定可能
サイレントモード
- 手動でオンにする…オンにするとバイブレーションがオフになる
- サイレントモードを定期にする…サイレントモード時間の設定
その他機能
- タイマー…2分、5分、10分、15分、カスタマイズ
- アラーム
- ストップウォッチ
- カメラコントロール
- フラッシュライト
- 音楽コントロール(iOSは2022年2月のアップデートで対応)
- スマホを探す(iOS非対応)
精度比較
心拍測定
心拍測定の精度を確認していきます。約30分swicthのボクシングエクササイズをしました。精度が良いとされるHuawei band 6 ProとMi Watchとでそれぞれ比較していきます。
まずはHuawei Band 6 Proの比較。上下変動にも対応できています。
Mi Watchとの比較も良いです。むしろMi Watchの方が急に心拍数が低下しているときがあるので今回の精度としては劣っているかもしれません。
歩数
約30分ウォーキングしてオムロンの歩数計と比較しました。
オムロン歩数計その1 | OPPO Watch Free | 誤差 |
4124 | 4135 | +11(+0.27%) |
オムロン歩数計その2 | OPPO Watch Free | 誤差 |
4125 | 4135 | +10(+0.24%) |
どちらとも1%以内と素晴らしい精度でした。
バッテリー
公式では最長14日となっていますが、実際はどうでしょうか。
いくつかの条件で試してみました。
さすがに条件が厳しいと消費も大きくなります。睡眠時のSpO2測定をOFFにすればもう少し充電の持ちは良くなるかもしれませんが、それだとOPPO Watch Freeで無くても良くなってしまうので、一般的には条件その1での使用が無難でしょう。
急速充電
OPPO Watch Freeは急速充電対応です。35分で63%回復しました。朝の支度中に充電すれば、ある程度回復してしまいます。
まとめ
約1万円ながら、AMOLEDディスプレイ搭載、本体のマテリアルにもこだわりがあり、AIコーディネート・ライトペイント・独自の睡眠分析と他のスマートウォッチにはない尖ったスマートウォッチで、特に睡眠に関して不安な方には是非ともおススメしたいです。完成度は結構高いです。
一方、ストレス測定がなかったり、iOSに対応していない機能があるなど、万人におススメ出来るスマートウォッチではありません。(自分は結構好きですが)
次でiOSに対応していない機能をまとめました。
iOS対応していない機能まとめ
- イビキモニタリング
- ライトペイント
- スマホを探す
- 音楽コントロール(2022年2月のアップデートで対応予定)
こう見るとやはりiOSに対応してない機能結構ありますね…特に独自機能のイビキ解析とライトペイントが使えないのはOPPO Watch Freeのアイデンティティを奪うようなものなので、いつかアップデートで対応してもらいたいものです。